アラサー独女がキャリアとか恋愛とか全部ひっくるめてやりたいことをやり尽くす日々を記録してみる。

このブログは、将来独立を目指す某クリエイターの日々の記録です。 ベンチャーで働く同世代の方や独立を目指す女性に読んで頂けたらと思います。 仕事や日々の生活を通じて、得た経験や知見を共有していきます。

悪気なく私達を傷つけた人への手紙

こんにちは。今回は、私が直近一番感銘を受けた本を紹介します。

「エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-」著者: 松山 洋 

 この本は、あるゲームクリエイターの方が著者で、「盲目になることを宣告された少年と、その少年を巡る実話」が描かれています。 加えて、「クリエイターが普段仕事をしていて不安に思うことに対するある一つの答え」も一緒に描かれています。 つまり、単なる「障害を持った少年のお涙頂戴もの」になっているわけではなく、娯楽を作る人たちを勇気付ける本なのです。

 

私自身もクリエイターです。クリエイターとして誇りを持ち、一生クリエイターとして生きていきたいと考えています。ただ、日々の生活の中で、友達の何気ない発言に傷つくこともありました。「ゲームはつまらない」「時間の無駄」など。また、銀行へ就職した友人などと比較して、生活必需品でないものを作っている自分に対して負い目を感じることがありました。 しかし私自身、中学・高校時代、この本に登場する盲目の少年のように、、ゲームやアニメが私の生きる希望になっていたのは事実なのです。

 

閉鎖的なお嬢様学校へ通い、学校に馴染めずにいた私。そんな時に、私を助けてくれたのはゲームや漫画でした。小説も好きでしたが。女子校だったので、青春ものだったら「他の高校の子達はこういう学校生活を送っているんだろうな」とか。弱小の部活しかない学校だったので、部活ものだったら「漫画の主人公たちと一緒にインターハイへ行く感覚」を味わったり。京都を舞台とするゲームにはまっていた時は、京都に興味を持って旅行へ行ってみたり。三国志を舞台にしたゲームにはまったら、世界史が大好きになったり。戦国時代を舞台した漫画にはまって剣道部に所属してみたり。身分や差別を題材にしたゲームをプレイして、差別の問題を意識したり。社会人になってからも、婚活がうまくいかない、周りはどんどん結婚していく…という状況で、孤独感を感じていた時、海外ドラマにはまって人生が楽しくなったり…。

 

私が「ゲームの仕事をしている」と言うと、「面白そうな仕事をしてますね」と言って頂くことももちろんあります。しかし、アニメや漫画やゲームは、正直、社会的な地位が低いです。「旦那がゲームばかりして子育てに参加してくれない」とか「ゲームは時間の無駄だから」と、何気ない会話の中でネガティブなキーワードとして語られることもしばしばあります。

 

ですが、手塚治虫の漫画が、戦後は危険図書に指定されるという仕打ちの中、良い作品を作り続けていれば、年月が味方して認められていったように、ゲームも絶対いつか認められる日が来ると信じています。ゲームの地位はまだまだ低くて嘆きたくなることはありますが、冷静に考えればゲームの歴史はまだまだ浅いです。ファイナルファンタジーを作った坂口博信さんはまだ55歳、ドラゴンクエストを作った堀井雄二さんでさえ64歳定年退職者がまだいないのです。そのくらいゲームの歴史は始まったばかりなのです。だから、歴史が浅い分、認められない部分が多いかもしれないけど、裏では、誇りを持って、心血を注いで作品を作っている人達がいることをわかって欲しいです。私達は生半可な気持ちで作品を作っていません。消費者の方達にどうすれば楽しんでもらえるか、信頼してもらえるかを、毎日毎日考えています。私もそうだし、今まで一緒に仕事をしてきた仲間達も本当に真剣に作品作りに取り組んできています。平日の夜や休日も「面白い作品作りのヒント」を探すために情報を漁り、新しい表現技術が出たら研究し、企画について何度も何度も議論を交わします。あまりにやりすぎてプライベートが犠牲になることもしばしばです。だから、「ゲームなんてくだらない」という言葉で一蹴しないで欲しいのです。その言葉を言う前に。裏にいる真剣なクリエイターの存在を、ちょっとでも良いから思い出してもらえると嬉しいです。「クリエイターが普段仕事をしていて不安に思うことに対するある一つの答え」。それは「生活必需品でもなんでもない娯楽を作ることにもちゃんと意味がある」。私達はそれを信じてこれからも面白い作品を作り続けます。